年の初めに見直しを
明けましておめでとうございます。
本年もいろいろと書き綴ってまいりますので、
何卒よろしくお願い申し上げます。
この年末年始、私は実家に帰省しました。
そこで家族全員が久々に顔を合わせ、
お鍋をつつきながら話した内容は、
「相続」について。
…と言っても、それほど厳密なものではなく、
両親がいずれこの世を去ったとき、
この家をどうしたいか考えてみてという話でした。
兄はすでに地元に家を建てていますし、
私はすっかり東京が本拠地となっています。
でも実家がなくなったら寂しいよね…。
だけど維持費って一体いくらかかるの?
…なんて会話が繰り広げられました。
我が家でこういった話が気軽にできるようになったのは、
2年前の年末年始、
母が長年積み立てていた葬儀費用を引っ越しさせるという作業を、
家族全員でやり切ったことがきっかけです。
母は20年以上の歳月をかけて、
地元の葬儀社さんでコツコツと葬儀費用の積み立てをしていました。
私が社会人になった頃からは、
「もしも私が死んだら、まず最初に◯◯(その葬儀社さん)へ電話してね」というのが、
母の口癖になったほどです。
しかし数年前になって初めて、
母が本心では、
その積み立てをしてきたことを後悔していると知ったのです。
その理由はいくつかありました。
例えば…
①長生きをしたことで、
駆けつけるであろうと予測していた友人や親戚も高齢化が進んでいるため、
葬儀は小さな会場で十分だろうと思うようになったから。
(積み立てをしていた葬儀社さんの斎場は大きめの造りです)
②自宅から徒歩2分のところに新しい斎場ができ、
そちらでの葬儀の評判がとても良いから。
(地元では有名な葬儀社さんが運営する家族葬向けの斎場です)
③そもそも20年前に友人からの勧めで、
「家族のため」と思って気軽に入会したが、
サービス内容などをしっかり理解できていなかったから。
(そのときはまだ比較する情報も少なく、自分の死が随分と遠くにあったそうです)
などが挙がりました。
しかし、今更解約なんてできないだろうと勝手に思い悩み、
これまで口にできなかったというのです。
早速調べてみたところ、
たしかに解約の手数料がかかりますが、
手続きを踏めば、積立金は戻ってくることが判明しました。
そこで話し合った結果、
本来は望んでいないような葬儀になるくらいなら、
その手数料は安いものだろうという意見で一致。
長年積み立ててきた葬儀社さんでの解約手続きを進め、
家族全員でサービス内容などを確認した上で、
自宅近くの斎場を運営する会社での新たな会員制度へ入会したのです。
この一連の手続きが終わったときの母の安堵した表情に、
娘としては、早く話を聞いてあげればよかったと反省しました。
そういった教訓を踏まえて我が家では、
家族の死に伴う決めごとや問題点について、
事前に少しずつ話し合おうとする空気が流れるようになりました。
また、環境や年齢が変われば、
一度は決めていたことに対しても、
考えかたや対応が変わってきます。
一年の初めは、そこを見直すのにとても良いタイミングだと思います。
今年も楽しく生きていくために、
いつか訪れる時のことを、
家族と明るく話してみてはいかがでしょうか?
- 更新日時:2020年01月10日|カテゴリー:ブログ