「バラバラでいっしょ」
「バラバラでいっしょ」という言葉がある。1998年、真宗大谷派が蓮如上人500回御遠忌で発表したスローガンだ。
最近になって、この言葉に文章が添えてあったことを知った。
「私たちが求めているのは、みんな一人ひとりが違っている、その差異のままでつながりあえる豊かな関係です。差異は役割でもなければ、優劣でもありません。私たちがそれぞれに固有のいのちと歴史をもって、一人の人間として生きていることの証です。」
読んだ後、「バラバラでいっしょ」とは、人種や出自等の人間の条件よりも、いのちの事実を示していると直感した。生まれてからの狭い話ではなく、生まれるまでの物語すら「バラバラ」で、縁が熟して今生きているいのちを「いっしょ」と見出しているのではないか。
共に生きるとは何だろう。それは、Majorとminorityがお互いを理解することではなく、Majorこそが幻想で、minorityは実は私であったと気づくことではないか。私固有のいのちと歴史を生きているという、誰にもない個性をもっているのだから。
私があれこれ考える前に、いのちの事実は、毎日「バラバラでいっしょ」だった。
案山子(かかし)
- 更新日時:2019年12月2日|カテゴリー:ブログ